蜜柑狩 '13ナミ誕
    ワンピース 二次創作 ゾロナミ傾向オールキャラ ナミ誕 蜜柑狩 小説のみの貯蔵庫

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    ☆さつきまつ (ペローナとゾロ)

    2010ナミ誕 ] 2010/06/19(土)
    今でも黄金の実の香りを嗅げばあの表情が蘇る。
    鮮やかに。





    「お前!聞いてないのか!」

    目的がどこなのかもさっぱりわからないくせにずんずん先に進む緑頭の男がが足を止めた。やや遅れてのっそりと後方頭上を振り返る。
    「・・・・ああ?なんか言ったか?」
    城内をきょろきょろ見渡し意識が他に向いているやや胡乱な眼。彼女の言葉など聞いてないことはそれを目にした万人がわかる。
    「いい加減にしろ!あたしは何度も同じことを言ってる!てめぇには耳はねぇのか!」
    「ここにあるだろ」
    そっちこそ見えてねぇのか?とゾロは自分の耳を指している。その態度がより一層癪に障ったらしい。空中に浮かんで透け空けの女の子が一旦渋面を凄ませたが、あきらめたようにふくれっ面に舌を出してふわふわともっと上空に飛んでいった。白黒の傘がドレスと同じようにふわりふわりと浮いている。



    二人とも他者によってここにつれてこられた。島の名前も国の名前も知らない。飛ばされ、娘は環境だけは希望通りだった。ただ召使いもおらず思い通りにならない生活環境は話にならなかったが、どうしたのか食事はなぜか用意されている。ペローナはそのまま食べた。次の日も次の日も。誰もいるように見えなかったが食事だけは不自由しなかった。疑問にも思わなかった。
    数日して空から同じように男が降ってきた。男は望んではいなかった。だが命の危機だった。
    相手の顔だけは知っていた娘は最大級の気まぐれを起こした。


    「そっから城の外、なんか見えるか?」
    半死半生だった男を敵とわかっていても介抱したのはやはり同じく一人で寂しかったからだ。ホロホロの敵じゃないことくらいわかっていたし言うことを聞かせるのもたやすいと思っていた。だがふたを開ければこうも言うことを聞かない朴念仁とは想像できなかった。
    起きるやいなや出てゆこうとする男を脅して引き留めたのは部下がほしかったから。なのに全くを聞かない。彼女の方が怒るのも飽きてしまった。
    「あたしはおまえの偵察じゃない」
    「他に城の中は?」
    男は表情も変えずに言葉を続ける。いっそいらっとした表情だけでも彼女に見せれば勝った気分にもなれて溜飲も下がろう物をこの剣士には相手にすらされていないような気分ばかりにされる。余計にイライラする。
    「あのな、外にでるのは嫌だ、歩くのなんて絶対嫌だっつたのお前だろうが。」
    「うるさい!」
    「言っとくがオレは早く戻りてぇんだ。お前には借りがあるからつきあってここにまだいるが。」
    ゾロは答えないペローナに向かって仕方がないと言った気配だけを出しながら腕を組んだ。

    ペローナはぷいっとそっぽを向いた。帰りたがっている男が自分にではなく環境にイライラする理由はわかる。だからといって当てもなくこの館を出てもどうなるかわからない。一緒に放浪するつもりはないしこの城がどこにあるのかどころかこの周囲すらもよく知らない。今までなら部下のゾンビ達に偵察や情報収集を全部やらせてきたのだ。
    ならばゾロに勝手に行かせればよいのだが何となくそれも嫌だった。手詰まりのままイライラしている。
    ゾロが言うことを聞かないのが悪い、と文句ばかりが出る。



    今日ゾロは館の中を歩きまわり始めた。ココアが欲しいとペローナも付いて来たのがこの態だ。
    「飯作ってる奴らはどこで寝てるんだろうな?」
    ゾロは歩きながら独り言のようにつぶやいている。
    「なんだって?」
    「おい?あれはなんだ?」
    会話にはなっていなかったが指さした先は館の後ろ。そこに小さな建物があった。
    「しらないな」
    「飯もなんか居る気配もそうだが城の中のことも知らねぇのか。」
    ゾロのあきれた声にペローナはカチンと来た。だが建物には興味がそそられた。霧の中、ガラスで覆われた白い骨組みが見える。ほのかに浮かび上がって明るい。この霧の晴れない城の周りでは珍しい明るさだ。

    それは小さなとても小さな温室だった。




    まるでそこだけ光を集めて作ったような温室だった。中はほの暖かく、地にも上にも緑。奥に野菜が少しと手前には何本かの木が植えられている。中身は昨日の食材と同じだ。空気は管理されているらしく暖かく柔らかい。ペローナにはやや苦手な空気でもある。もっとじめじめした外の空気の方が好きだがいきなり現れたこの空間の緑の中にいきなり浮かぶ花の色は綺麗だった。
    ペローナは一歩足を進める。
    「いいにおいだな。ここにだれかいるってのか?」
    返事はなかった。
    「誰もいないじゃないか」
    そう後ろに声を掛けたつもりがそちらにも居るはずの男は居なかった。もっと奥に勝手に入っている。目標を見つけたように真っ直ぐに。ただ黙って一番奥の一本の木にゆっくりと歩み寄っていた。
    それは濃い緑の葉に橙色の実が付いている。僅かしかないこの島の中でも陽の光をふんだんに浴びるように配置された大切にされているやや小振りな一本。実は鮮やかな蜜柑色をしていた。
    「なんだそれ?」
    ゾロの答えはない。ただ、木を見上げている。じっと止まり、見上げて、そのまま両の腕を枕にゴロンとひっくり返った。

    「おいっ!?頭おかしいのか?」
    「はははっっ」
    ペローナの驚きを余所にゾロは笑いながらまた起き直ってあぐらになり、そしてやおら立ち上がった。

    「花橘の香・・・・か。お前帰っていいぞ、俺、今夜はここで寝るから。」
    「ええ?!」
    思わず飛び出したのはホントに素っ頓狂な声だったと思う。寝ると聞いたが寝具などあるわけがない、下は柔らかくて黒い土だ。こんなところで寝ればただ泥まみれになるだけだ。既にゾロのシャツも黒い土が付いている。そもそも普通の人はこんなところじゃ寝れない。
    ゾロはペローナの抗議にもにた視線は相変わらずかまわずその木の木肌を軽くたたいて嬉しそうだった。
    「その木がどうかしたのか?」
    「俺の船にあったのと同じ木だ。」
    これには驚いた。ものすごく優しい目だった。この島でのいつもとかスリラーバークでみた野獣の瞳とは思えない。うれしそうにも穏やかにも見える。見たことのない瞳。

    「・・・・・懐かしいのか?」
    「ああ?懐かしいって言うか・・よく船のここで寝てたからな。こいつの持ち主がまたうるせぇ女でな。」
    くっくっと笑いながら、ゾロは今までになく饒舌だ。
    「がめついわ、口は悪いわ、人を顎で使いまくるわどうしようもない女でな。あいつに慣れりゃお前なんて可愛いもんだ、そりゃホロホロはおっかねェが。」
    ゾロはそっと木に額を寄せた。
    「同じにおいだ。」
    愛おしいものに寄せるように。

    どくんとペローナの心臓が鳴った。
    無視した方がいいとわかっているから振り払う。
    これは危険だ。今なら止められる。

    「お前、女の趣味、悪いんだな」
    「そうだな」
    否定もしない。木を見るばかり。心の底から嬉しそうだ。もうこちらを見ようともしない。

    「お前がどこで寝ようとあたしはかまわない。勝手にしろ」

    ペローナは温室を後にした。振り向くことはしなかった。




    ペローナが城を出てみようゾロに告げたのは次の日だった。

    end










    ・・・・・・・・・・・・

    今年の7月3日は太陰暦では 皐月の22日 です。

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    ☆日常 (フランキーとナミ)

    2010ナミ誕 ] 2010/06/22(火)
    「嵐が来たぞーーーーーー!」
    チョッパーの声が通った。
    「いらっしゃい」
    ウォーターセブンを出て初めての大嵐だ。今まで乗り合わせて体感したサニーの強度とフランキーが保証する船体の強さと機動力を試す絶好の機会とナミは空を見すえ舌なめずりした。


    「おいお嬢ちゃん!?良いのか?ロロノアの奴起きねぇぞ?」
    甲板に走り出てきたフランキーの声が響きが皆振り返った。

    船の外は今まさに大嵐。
    相変わらず読めないこのグランドラインの海の天候には船員の総力を持って当たるべきなことは鉄則だけれどああ、この船の副船長というか剣士は今日もいつもと同じように甲板で寝っぱなしだ。
    フランキーの大きな腕につながる拳が力を集約させている。

    「ああーーそれねぇ!

    ・・いいのよっゾロの馬鹿が起きないならほっといて。」

    あの、ナミが。
    ルフィとゾロの間の本気の喧嘩に入り込める唯一の存在が。
    特にそうじゃなくても自分以外の誰の働きの怠けも許さないナミがそうあっさり言ったのでフランキーは眼を剥いた。
    ナミは働き者だ。限局的に。それはサンジもそうだしと馴鹿もそうだ。己の能力以外には無理はしない。自然と派生する助け合いが何の負荷もなく引き出される。それはおそらくこの船長の、実際戦闘以外には何の役にも立たない船長の資質故と思われるが。
    正直フランキーがこの船に乗り込んで、日常における彼ら内の力関係の把握が徐々に出来つつある。日常ならばナミは最強だ。かつ厳しい。悪くはない。航海におけるその能力の高さは戦闘時に舌を巻いた。これなら俺の船も預けられるとフランキーも絶賛している。
    なのに?
    いやロロノアには甘いのか?



    「本当に良いのか?」
    心配そうなフランキーに向かいナミはあきらめ顔でそれでもあっけらかんとけらけら笑った。
    「あーもーねーいいのいいの。グランドラインに入ってわかったのよ、こいつが起きない時って何でかわからないけど最終的には絶対安全なの。今までずっとそう。たぶんこの脳が動物レベルなのよね。」
    そう言いながらウソップに帆の角度の指示をとばし、また前の大気中を真剣にじっと見据えている。他の誰がみてもわからない風の動きと大気圧を肌と目で測っている。ナミの理性は途切れる事がない。
    「必要なときには何もしなくても起きるわ。その時はやっぱりそのタイミングでこいつが要るの。んでそれはそれでなんとかなるのよね。っと・・・9時の方角から大きい風がくる!それに乗るからガフも揃えて!船の重心を左に下げる!船体は15度で受けて!9時の方向よ!」
    見事にナミの予測は当たりサニーは転覆どころか風に乗り嵐の圏外へ逃げ去る。操作の粗っぽさに対しても無駄なきしみ一つなく、船体に傷一つつけずに見事に海流を読み切って飛び出した。この指示の確実さは見事という他無い。フランキーが称賛代わりに口笛を吹くと、さも当然とニヤッと笑ってナミは答えた。

    「だからそいつはねーその倍、他で働かせるから大丈夫よ。」




    次の日には頭に大きなこぶを作られた男が浄水マシンを漕がされ、風呂の掃除と水汲みと水槽の水の入れ替えとみかんの木の堆肥作りの手伝いを文句も言わずさせられていた。


    「なるほどな、この船の微妙な辺りのヒエラルキーが何となくつかめてきたぜ」
    「慣れとノリだがな。少なくとも最大の幸福で最大の苦行なんだからあのM男にはうってつけなんだが」
    ロビンの手の中でサンジが煎れたアイスコーヒーの氷が溶ける音がカランとをおいしそうに響いてる。そのロビンも楽しそうに彼らをみている。ルフィとチョッパーとウソップは向こうでマストから下げたブランコに夢中だ。フランキーはロビンの向かいでサンジからよく冷えたコーラを受け取った。


    end



    ・・・・・


    フランキーは仲間入りの時にはある程度まではあわせようとするでしょう。
    ですがその横で己の本能と煩悩に忠実すぎる彼らを見て楽になっちゃえばいいなと。



    ☆天敵 (サンジとゾロ)

    2010ナミ誕 ] 2010/06/24(木)
    「おまえなぁ、あん時、このままお前が死んだらナミさんが泣くって思わなかったのか?」
    「・・・・・・あ?・・・ああ、そうか?けど考えたこともなかった」

    素直というか朴訥たる平和な台詞の意を理解するのに数呼吸。理解してからの間がやたら長ぇ。そのくせ口にすればしれっと言い放ちやがったんで久しぶりに絶対の本気の蹴り、が奴の顎に決まったのに全然楽しくなかった。
    それはある熱い午後の会話。



    スリラーバークの悪夢は朝日と共に終わった。
    一番傷ついた奴はまさに寝る、寝る、寝る、寝る、寝る、寝る、それでようやっと喰うの繰り返し。誰もがその深い傷を感じていて、クルーの一部は知っているから、一部は判っているから、一部はただ何も言えずに事実の核心には触れなかった。

    「チョッパー?今日は?」
    「消化器関係は治ってきたみたいだからそろそろ普通でもいいよ。タンパク質多めミネラル多め。で量が要るかな?」
    サンジは病人はおろか怪我人の食事も医師との連携を欠かさない。病人ならば病人の、必要な食事を必要なだけ。怪我人なら治癒過程に合わせて。食べることに関してだけは一切の妥協がない。当然あれだけ喧嘩と小競り合いを続けるゾロにもその指示と配慮は当たり前で、今やただの怪我人にはメニューにも給仕にも心配りが黙って最大限費やされている。
    ゾロはそれに対する感謝を口にも態度にも現すことはないが言われたとおりに喰う。何にも文句を告げず全ての指示を絶対に守る。今までよりもというよりあり得ないくらいサンジの言い分には素直に従っているからなにも答えないサンジにもその感謝が伝わっている。いつもならサンジの行動になにがしの文句を付けるがそれもない。まるで従順とでもいえるくらいの関係が今は続いてる。





    「考えたこともねェな」
    考える時間はあった。だって答えが出るまでこいつにしたら半端無い時間が経過していた。
    素面だ。そして本気だ。だって・・だって常時の馬鹿面だし。
    ゾロの素の表情にサンジは呆気にとられた。同時にそれがあまりの力みすらない馬鹿面であることに怒りがこみ上げる。あのナミさんを見て、お前に首ったけなことを必死に隠すナミさんを見て。ルフィに向いたベクトルもゾロ自身に向けられた全てを知ってて。あのシーンで無理矢理残された俺にどんな道化師をやれと言うのか?
    そのまま言葉よりも蹴りが出るまで数瞬もかからなかった。






    「おーーいて」
    そう言いながらもゾロの鍛え上げられた筋肉で覆われた太い首に、いい感じに決まった蹴りの衝撃はほとんど吸収された。けろっとした顔の顎の先に打たれた痣が薄く赤く跡だけが残るばかり。
    それでも奴が首を軽く振る姿は珍しくはあるのでざまぁみろとくらいは思えたが、怒りと共に蹴ったこちらの息ばかりが仕舞いきらずにはぁはぁと残ってる。

    睨みつけているとゾロはこっちをじっとみていた。サンジに怒るでもない。いつもになく真剣で穏やかでまっすぐな瞳。悪びれる風もなく口を開いた。

    「かもな、けど」

    蹴り後をポロポリ指で掻いてから脇に置いていた刀を身につける。ゾロの戦闘態勢でなくただの日常の動作だ。

    「けど、あれでお前が死んでたら、あの女、本気で泣くぞ。いいのか?」

    見すえた視線はまっすぐだった。サンジが嫌がる真っ直ぐすぎる馬鹿の目。これには勝てないと判っているからこそこれが嫌でいつも反発していたようなものだ。逃げられない。ぐっとこらえてしまい動けなくなる。肯定も否定も、次の自分の言葉が出てこない。一瞬の躊躇の後ぐっとサンジが引いた。
    ゾロは続ける。

    「ルフィが死んでも駄目、お前も駄目。だってあいつ本気で泣くだろ?けど俺ならあいつは怒る。殺しにくる勢いで本気で怒る。まぁ一緒にルフィも怒るだろうがな。けどそうやって怒れるからこの後もあいつら一緒に生きてくだろ。それにお前等がいる。そうやって揃って生きてくだろ。

    だったら怒られて恨まれるのは俺でいい。」


    サンジは思いきり息を吸い込んだ。煙も一緒に肺の奥深くに入る。むせかけた呼吸をきっと止めた。
    こいつ確信犯だ。
    最大限の惚気だ。
    止めた煙が一気に咳になってサンジの喉を襲った。煙草のみにしてはただの失態、大きくごほっっと咳き込み止まらない。

    「てめぇ・・・・」

    ナミの喜怒哀楽など気にしないという態度のくせに本質で誰よりもそれこそ本人以上に掴んでる。だからこそこいつは考えたこともないのだ。わかりながらゲホゲホ苦しい呼吸の中でサンジは涙目でゾロを睨んだ。

    ゾロはと言えばそんなサンジの変化に動じることもなくだからなんなんだ?と言いたげに首を傾げて欠伸した。しながら伸びをしてまた座り込んだ。もう気配がいつもの一眠りへとむかってる。


    ああ、マジムカつく。
    こんな奴に仏心なんて出すんじゃなかった。
    飯の心配しすぎてちょっと気を許せばすぐこれだ。

    僅かに下を向き、苦虫をかみつぶした顔でサンジは胸のポケットから新しい煙草を取り出す。咳は収まった。火をつけて一度大きく吸い込む。今度はゆっくり大きく吸い込んだ紫煙を奴の顔に向けてふうっと吐き出す。左手に吸った煙草を持ちながら、少し折れた煙草は空に向かって登る一筋の煙をゆっくりと燻らせる。

    「・・だから・・オレはお前ェが大っ嫌れェだ」

    吹き付けられた煙を眠そうに重くなった瞼ではじき、それを聞いたゾロの目つきは一気に鋭く細くなる。
    「・・・そうかよ。だから何だ?喧嘩売るなら死ぬほどの後悔させてやるぜ」
    てにした刀の鯉口はすでに切られてる。
    「馬鹿には売らん」
    「誰が馬鹿だ?」
    「その腐ったマリモ面以外のどこにいる」

    そして後はただの日常になりルフィの飯の催促と船体の損傷に怒るフランキーの一喝とサンジに向けたナミとロビンの甘い一声で事態の収束をみた。


    end

    ・・・・・・・・・・
    気の付きすぎるサンジママの天敵(笑)


    ☆ちょぱ日記20

    2010ナミ誕 ] 2010/06/27(日)
    チョッパーの日記より
    『涙の成分が交感神経の働きで変わると成書にあったが、他の体液も同じだと証言を得た。証明したいから採取を頼んだらサンジが蹴ってきた。研究のじゃまする奴はトナカイに蹴られるんだぞ!』




    「馬鹿マリモ!ハゲ!緑色!・・死んじゃえ!」
    いきなり泣きながらありったけの罵詈雑言とともにナミが駆け出した。

    「あーーらら」
    「痴話喧嘩ね」
    大人組は冷静。ちょっと楽しそう。
    「ナミさんは泣き顔も可愛いvvv。慰めて差し上げたいが・・・・マリモが全部悪い。さてナミさんが泣きやまないと飯に出来ねぇな」
    ゾロへの悪口は嬉しそうに、だがナミの走った方向に足を向けたサンジはロビンに止められちぇっと肩をすくめて不満げに船長に視線を送る。
    サンジの言葉にえーーっと頬を膨らませたルフィが申し告げた。
    「とりあえずゾロが悪いんだろ?謝れ。これは船長命令だ」
    いらっとしてはいてもゾロは船長命令には逆らわない。苦々しい顔で立ちながら刀を手に取った。その横に向かって人獣型のチョッパーがトコトコとゾロに走りよった。
    「ゾローー教えとくぞ。怒ってるときの涙は辛くて体に悪いんだ。」
    「本当か?」
    驚いたウソップの問いに青い鼻を高々に説明を加える。
    「ストレスのかかった涙とそうじゃないのは成分が違うから味も違うんだ。嘘だと思ったらゾロ、ちゃんと謝る前と後に舐めてみろよ。」
    「それはいらん!」
    サンジの怒声が響いてチョッパーはぽかんとした。
    「え?知りたくないのか?」
    チョッパーは知りたいことがいっぱいある。
    「ゾロは知りたいだろ?」
    むしろそれが当然だろとゾロの方を向いて聞くとゾロは思案顔でちょっと考えていた。
    「涙だけか?変わるの?」
    その質問に今度はチョッパーが首を傾げた。
    「え?そうだなぁ涎とかもそうじゃないか?ほらみんな敵の前で緊張すると唾の味変わるだろ?」
    聞いたウソップは納得行ったと手をたたいた。ゾロはふむふむと頷いている。
    「確かにあいつ上も下もトロトロになってくると甘くなってるかもしれねぇ。今度試してみるか。」
    ゾロの爆弾的な独り言に皆が目をむき、チョッパー一人が目を輝かせた。
    「あ!だったらサンプル採取してくれないか!前後の変化が欲し・・・・」

    二人の背後に黒い影が震えている。
    「てめぇら・・・・・・!!」
    激辛な涙とともに綺麗な回旋の蹴りが宙を舞った。



    その夜・トレーニング室で。
    ナミはぐったりして、ゾロは舌なめずりしていた。
    「確かに、甘い」



    ☆チェス(西洋将棋) (ゾロとナミ)

    2010ナミ誕 ] 2010/06/29(火)
    海図描きにも飽きたというナミの誘いを受け、水槽の前でゾロはナミと盤を挟んでいた。
    初めてのゲームにナミから基本の解説を受けて いざ 勝負。


    「ホレ、これで王手」
    「あ、それ待った・・ほら待ってよ」
    「待ったはねぇ」
    「何でぇ~?ゾロが強いなんておかしいわよ」
    やや低い声。甘えを含んだそれでも不機嫌そうな声。
    「はん。こんなもん金銀落ちでやってる将棋みたいなもんだ。簡単だぜ」
    「・・・だからって解せないわ、頭使うゲームであんたがあたしに勝つ訳ない」
    「負け惜しみか?」
    にやりと上から目線で笑うゾロと鼻息荒く伏せた頭で下から見上げて睨むナミの間。二人の距離は頭一つ分。
    フッと一息ついたのはナミが先。




    「・・・・・ねぇ」
    盤の向こうから艶を含んだ声としっとりしたしなやかな指がゾロの指に絡んできた。
    その手の中に今取ったばかりの僧侶のコマがまだある。ナミは駒をゾロの手を両手で包んで、そっと唇を寄せる。
    唇の間から見える滑らかに赤く染まった舌先の赤さに攻撃に転じる事が出来ない。
    その奥に獲物を狙っている牝豹のダークな濡れた瞳。
    薄い服からすんなり伸びた真っ白な両腕の間に挟まれて服の上からも強調される真ん中の更に白いふくらみと谷間が嫌でも目に入る。唇が触れそうな距離からナミの両手に包まれたゾロの手がゆるりとその白い胸に引き寄せられる。

    「おねがい聞いてくれたらあたしも一つだけ言うこと聞いてあげる。」

    言葉の触手のような心地よさにゾロが唾を飲み込む音が響いた。


    end



    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    糖度低めのままで終了。
    どうやら将棋ならナミより強そうなゾロの奴だが・・・・勝てると思います?



    ☆楔 (ナミ)

    2010ナミ誕 ] 2010/07/01(木)
    海賊王になりたいというゴム人間と万年寝太郎の迷子と。正体がわかってしまえば何のことはないただの男達とこの数年のうちの常には思えぬ時間を過ごしている。
    あんな男なんてどこにでも居ると思うのに。知ってるはずなのに気がつけば私が笑ってる。

    だって、あまりにアイツら馬鹿なんだもん。笑ってやらないとどうしようもないじゃない。
    宝を手にしてもあっさりとその半分を他人にくれてやったり。ただの他人の夢を追ってやったり。仲間と見込んだからってそいつの敵と死にそうになりながら戦うなんて。ましてやこの私が特にもならない怪我までして参戦してるなんて有り得ない。
    だから私はわざとアイツら馬鹿だしと笑った。
    そうじゃないと心から笑ってしまいそうだった。私が笑うことに何かの意味を与えないと今までの私が保てないと感じてた。


    「なんだ?ウソップもルフィも潰れたのか?」
    「なんやかんや言ってもこいつらガキよねーー。こんな軽い酒ばっかで潰れるなんて!お陰で貰ったお酒をこっちが充分堪能できるってモンだけど! けどさっすがお嬢様! 保存用には良い酒積んでくれてるわよ!あんたもこっちの良い奴少しやる?」
    「おう」
    今までの航海は船が小さすぎて水と食料が限界、趣味レベルの酒まで積めなかった。そうじゃなくてもこいつらお金持ってなかったし。
    かなり飲めるらしいゾロは飲み仲間としては良かった。こちらに関わらず勝手に自分で良い感じにご機嫌になって、私に詮索もしない。ただ一気に小さめのグラスを空けて、良い顔で頭を振ってる。
    「うめー!辛ぇ!」
    「でしょーー!?この辛みと奥の深さが判るなんてあんた中々やるじゃない」

    お世辞抜きで酒は美味しかったし、酒の旨さが判る奴は嬉しかった。
    その共感に心の箍が少しだけ、ほんの少しだけ、私が警戒心を抱かない程度に弛められてしまったらしい。

    共感は心に緩みを作る。
    しかもアルコールは本人の知らぬ間に緩みを見つける。
    一番の問題は私が彼に、そして彼らに緊張しなくなったと言うことだった。気を張らない旨い酒。緩んでしまうにはこれ以上の物はない。


    「本当に旨ぇ」
    「よねーー!」
    乾杯のつもりか手を挙げながらふと相手の顔が間近にあった。アレ?と思うと視線で全身が固まっていた。言葉も忘れてただ見合ってしまう。相手の瞳ばかりが大きく見える。紅潮して見合った瞬間、瞳と瞳の間にあったはずの垣根は消えていた。
    相手の中が奥まで見える気がする。同時に相手に内奥まで見られている事も判てった。その頃には隠すよりは相手への興味が勝っていた。見られている事が恐怖どころか興奮を呼ぶ。更に相手の中をもっと見たくて知りたくて、共感が取っ払った垣根は視線だけじゃなく気がつけば肉体に及んでいた。


    ゾロの唇が自分に重ねられて。
    それが快感すぎて自分が欲しかった物だと始めて気がついた。
    柔らかく私を浸食しむさぼって私の欲をなぞってゆく。もっともっとという声ばかりが自分の耳に聞こえる。酒が理性を緩ませたと意識が気付いたときには遅すぎた。
    唇の間から舌が割り込まれた快感に自分の唇が相手をむさぼっていた。
    相手の唾液はもう潤滑油にしか感じられない。自分の唇が変質するその柔らかな快感を。絡め取られた舌が押して押されて受ける快感を。これ以上は危険だと身体の一部で発せられた信号が遠くに見える。見えるのにまるで他人事だ。彼の口腔から受ける快感に押しつぶされてその危険信号はあえなく現実の感覚の末端に押しやられてゆく。常に居る冷静な自分がこの時ばかりは何処に行ったのだろう?全く気配も感じられない。

    いつしか彼の唇が口腔から離れて自分の首筋を舐め、圧し、吸い付いているのを心地よすぎる快感と感じている。
    1ヶ所・・おそらくは窪みとなった正中の首の辺りを強く吸われることに恐ろしい程の快感がこぼれ始めた。
    その快感は私の胸にある両の突起のその先端まで甘く溶かしていた。そしてそこからつながる深い中心の泉へも。

    「・・・ゾ・・・・ロ・・・」

    甘くほんのささやかに零れてしまった声。
    だが零れた声にそれまであくまで流動的で動的だった二人の動きがホンの一瞬止まった。

    ホンの一瞬。
    けれど二人を醒ますには充分な刹那の楔だった。



    風の音と波の音、そしてそれを圧するような若い二人のいびきが私達の耳に届いてしまった。



    声を出したのは私の方。
    驚いているのは二人とも。
    でも私の片腕が軽く自分の襟元を抑えていた。
    「あ・・ルフィ、起きちゃうんじゃない?」
    ゾロは何も言わなかった。ただ彼がまだ私に触れていた部分をぎゅっと押したので私はそこから手を引いた。ホンの数mm。薄いベールのように薄い距離を。
    「・・・・・ウソップも寝相悪いみてぇだな。」
    ゾロが溜息と共に答えた。
    垣根が戻った。



    全身が別離を悲鳴のように感じていたのでそっとそれらを押し込んで封印することにした。そうじゃないとこいつらとの別れが辛くなる。
    戻った理性に舌打ちする自分と叱咤する自分の隙間で、埋められないなにかが生じていたのはこの頃からだ。



    ・・・・・・・・・・・・
    シロップ村を出た日の昔話で。
    またお預け。



    ☆薔薇月 注あり

    2010ナミ誕 ] 2010/07/03(土)
    ごめんなさいこちらは18Rにさせて頂きます。短いモノですが物理的に挿入シーンがありますので。
    今回のナミ誕の成分のその他5%はここの事で「immoral」つまり不道徳になります。
    つまり、ナミさんの相手がゾロじゃないと絶対駄目な方は不快になる恐れがあります。
    でもゾロナミ傾向です。


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    ☆星見 (ゾロナミ)

    2010ナミ誕 ] 2010/07/03(土)
    「グランドラインに入ってショックだったのはね、この私の航海術が一切通用しなかったって事なのよ。」

    カランと涼やかな音が夜空に響いた。ナミは嬉しそうにひんやりとしたグラスに刺してあったストローを唇で取り出して上下に振っていた。先に付いた雫が俺にも一つ二つ飛んできてた。だが肩に届いた頃には温度も気にならない。
    星を讃えた夜空にぬるい風。今の海域はぬるいまま安定しているから側にあるのは春島か季節が春な島なんじゃないかとさっきナミは言ってた。
    反対の手でつくった細い拳で人の額をグリグリと楽しげにこすってる。ここに来るなりグーグー寝てたあんたに解説したって無駄でしょうけどね と持ったグラスと咥えたままのストローのせいで借金を背負わせるときのようなニヤッとやや凶悪な笑顔になってるがそれでもなにより嬉しそうだ。
    「普通のコンパスは一切効かないし、地形によって変わるはずの風は所構わずいきなり吹くし。風がそうなら波も気まま。海流はあっても法則もないからいきなりログポースと反対に向かって流れてたりするし。そして何よりあせったのが星よ。」
    「星?」
    自分の声がけだるそうに答えてる。その声がこの体勢だと結構隠って洞窟の中のように響く。

    「グランドラインに入る前にはタカをくくってたのよね。だって、地図が無くたって、もしかしたらコンパスが効かなくたって、空は変わらないと思ってたもの。」
    「変わんねぇだろ?」
    「当たり前よ。同じ星から空を見上げてるのよ?空が変わるなんて誰が思う?」

    酒に酔った訳じゃない。だがこの暖かさにぼんやりした頭はあまり働いてない。
    眠ってる訳じゃない。ただナミの声が歌うみたいに聞こえてる。
    考えるとかそう言うことも面倒で、ただ上から響くこの声を聞いていたい。

    「んなこと思ったこともねぇ。」
    右なら右だし北なら北だ。で、星は星。それ以外の何者でもない。
    「あんたは特にねーーー」
    ナミはあはははとストローを咥えたまま笑ってる。
    「でも判ってきたわ。やっぱり海流の大まかな流れはログに従ってる。行く先と方向が違うから当てにならないの。けどログを外れると元に戻るのはかなり厄介なのよ。他のログにもたどり着けない。そうじゃなくてもルフィは決めた道から外れるの嫌みたいだし。」
    「ほーーー。」
    ルフィの名を聞いて柔らかい枕を少し触ってみると軽く身動ぎしかけてすぐに受け入れた。一瞬緊張してすぐ弛緩して、今は受け入れてる。表面もはするりと奥はくにゅっとどちらも柔らかい。
    「今は星の位置なんて大まかに廻った量が判るだけ。だから今この時期にこれなら多分もう少しで半周できるとはぼんやりわかるけどね。」
    ナミは空を見上げてる。大きな胸の向こうに真っ白な首筋のラインが、その上に星空に鮮やかに浮かんでいる。
    ナミはストローをグラスに戻し、そのグラスごと手を下ろした。その白い腕の動きが視界の端でもやっとした残像になる。その手にもゆっくり触れる。自分の意識もややまどろんでいる。妙な意識も欲もなくただ触れる事だけを繰り返す。

    「でも」
    白い両の手がゆっくりと俺の顎の線に添えられた。
    「海で星を見ることがただ楽しむ為だけになるなんて思わなかったなぁ。」

    歌うように弾んでいた声が少し落ち着いた色合いを帯びる。
    指がなぞる腿の柔らかさと頭の下の暖かい触感は捨てがたかったが、俺は上にむけて左手を伸ばした。

    「ナミ」
    「ん?」

    ナミの後頭部をそっと抑え軽く下に誘う。促した動きにナミは一切抵抗しない。ゆっくり引き下ろすと柔らかいナミの身体ごと頭が降りてくる。
    ぐっと顔が近付く。闇の中、からかうように目が金に光った。口元の微笑みは身体のように柔らかい。
    「空に星、下にあんた。こんなおまけも付いてくるしね」
    「黙ってろ」

    互いの視界は遮られて閉じた瞼の後ろに星がひかる。




    この船に乗るまで星は星でしかなかった。
    だが今は違ってしまった。
    星を見、星に見られて俺たちの日々は過ぎてゆく。


     

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