[ 2007ナミ誕 ] 2007/06/22(金)
「おーいロロノアよぅ。」モリアの居城の中までの急な階段を上る皆の足に勢いが付いている。
チョッパーは獣の形だしサンジなど鼻息の荒さがよく目立つ。
「なんだ?」
後ろから息も切らさず声をかけてきたフランキーに速度をおとすことなくゾロは答える。
「いーのかい?」
「何がだ?」
「俺としちゃぁよぉ、おめぇが一番慌てるんじゃねぇかと思ってたんだぜ?」
「何のことだ?」
正面を向いたままゾロは上を目指す。
「あのお嬢ちゃんよ。おめぇのだろ? なのに他の奴らに憤慨させといて良いのか?」
ゾロは足を少し緩めた。何も答えずちらりと自分の斜め後ろを見る。フランキーが少し不思議そうに、そして少し含みを持った笑顔で脇に上がってきた。
おめぇのだろ?
そう言う微笑みだ。
「・・・・いつ判った?」
「サニーに乗ってすぐだ。おめぇら黙ってりゃ判らねぇと思ってたのか?」
「いや。隠したつもりもねぇ。」
堂々と言ってのけるゾロにフランキーは一度天を仰いだ。
「だろうな。あれじゃぁな。 で?」
「でってのは?」
フランキーは自慢の自前の歯を見せてにんやり笑った。
「俺はよ、まだおめぇの口からお嬢ちゃん助けに行くって聞いてねぇように思うが。」
おうどうなんよ?と言いたげなフランキーにゾロは肩を落とした。
「・・・阿呆くせぇ。言えばナミが助かんのか?」
「いやーーだがよぉ・・」
「それより俺の影を取り戻すのが先だ。あの敵相手に本調子じゃねぇってのは言い訳にならねぇ」
フランキーは肩をすくめた。少し気落ちしたと見せたいらしい。だがゾロは全く相手にしなかった。声色に乱れはない。冷静に、全くいつもの通りのゾロの声だ。
「おいおい待て待て。良い方法だと思うぜ?それがベストだとな。けど、それ聞いたら嬢ちゃん泣かねぇか?」
「ばーーか。あいつはそんな簡単にやられるタマじゃねぇよ。逃げるって事にかけちゃウソップより上だ。それに・・」
「?」
「中途半端にあいつを助けに行けるか。どんな罵倒されるか判ったもんじゃねぇ。誰が助けたって助かりゃいいんだ。影四体にナミ一人。俺たちぁどれ一つ取りこぼす気なんて無いぜ。」
そう言い捨てて速度を上げる。後ろから見ているからこそ判ったが、ロロノアの耳だけがうっすら赤い。
嘘を言う男ではないようだ。だとすると船長と同じ、自分の女よりも全部助けるって奴なのだろう。
島に漂う臭うようなねっとりした空気が彼らの周りで少し動き出す。二人の勢いが少し弛んだ。
「あーあー意地っ張りな男と頭のいい女の組み合わせってのはどうしてこうも頑なかねぇ?」
「フランキー。それはお前に言われたかねぇぜ。」
今度はゾロが足を止め溜息をつき、含みを持った笑顔をフランキーに向けた。
「・・・・・何のことだ?」
「黙ってりゃ判らねぇと思ってたか?」
ゾロはちらりとロビンの方へ視線をながす。
「やられっぱなしみてぇじゃねぇか」
ゾロはくっくっくと白い歯を見せた。
フランキーがその頭上から睨み付ける。
二人で時が止まったかのように感じた。
「まいった」
破顔一笑でフランキーは溜息をついた振りをする。
「言ってくれるじゃないのよ若造が。」
「いい年こいたおっさんが下らんことを言わせようとするからだ。」
「ま、俺としちゃ前よりおめぇが好きになったぜ。もっとガチガチのアゴ野郎だと思ってたからな。」
「・・俺もお前は気に入ってるぜ。」
「だろ?」
城の中まで後数歩。
さぁ奪還劇の始まり。
*****
ゾロが見た!カプの方も書く予定
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綸言と微笑(コビメッポ)
[ 2007ナミ誕 ] 2007/06/22(金)
コビー曹長は入隊時から変わらない穏和な性格と身につけた技で徐々にガープの配下の中でも名を挙げつつある。一緒にいるヘルメッポ軍曹のたまに出る毒舌も軽くいなし、いつでも笑みを忘れない。たまに涙もろいとも言われて隊内でもその目撃証言は絶えない。
着実に技術も身につけてゆく彼ではあるがその穏和さ故に見くびられやすいと言う欠点はいつでもついて回る。
先ほど船長に当たるガープ中将が指名付きで陸に連れて行った理由が判らず残された海兵の間では大騒ぎになっていた。
(中将の血縁がらみのコネがあったのか)
やっかみも含めたあまり芳しくない意見の方が多かった。
どうしてという疑問ばかりが声を大にする。
ただ今日のニュースはそれよりももっと衝撃的だった。
中将ガープの息子と孫についてである。
ボガート以外の船員皆に衝撃は走り、興奮は退かなかった。
【綸言と微笑】
中将ガープの船ともなれば上は佐官から下は海兵まで乗員も多い。一致団結したガープの強さと子供のような魅力に魅了された船員達で構成されていて他の船よりも独自性が強い。
それ故に先ほどのニュースはほとんど全員の度肝を抜き、それに伴う一種の酩酊感が船の中にあった。だが出航命令が出てロープを結び、帆げたを整える。少し日常に戻った出航準備の中で徐々にでも本来のペースを取り戻す当たり猛者揃いといえる。
だがそれでも、今回の衝撃は大きかったようだ。
甲板なら声はかき消されるとばかりに作業しながらひそひそ声で会話している海兵がいた。
「しかし・・・今売り出し中の麦藁のルフィが孫だっただけじゃなくてドラゴンがその父親で息子だったなんて中将の所はいったいどういう家系なんだよ?」
「鷹は鷹を生むんだろう」
「竜が竜を産むといった方が確かかもな」
「上の方はこのこと・・」
「さすがに知らないだろう。」
「何処に出したってトップニュースは間違いないんだけどなぁ」
「新聞なら金になるし、軍の中なら出世の足がかりだったりして・・・・・。」
話しに夢中になりひそひそ声が少しずつ大きくなるのをこらえていたその瞬間、背筋が凍り付いたようにゾクッとした。
二人ともいきなり背後に猛獣のそれに似た殺気を感じた。しかもこの気配、一気に体内の血が凍り付いたように動けない。
その刹那、鋭いかまいたちの早さにも似た衝撃が腰から背中を駆け上る。
紙一重の距離を滑るその衝撃。振り向く隙を与えない信じられない速度。
「手よりも口が動いているなどいけませんよ」
「「コビー曹長!?」」
柔和な微笑みはいつもと同じ柔らかさだ。
目尻が下がった笑顔も同じ。見つかった相手が上官であっても彼ならば造作もない。
先ほどの気配はおそらく気の錯覚だろうそう思うと先ほど聞いた小さい方のニュースが二人の胸に浮かんできた。
「はっ」
「曹長にはおめでとうございます。」
「何がですか?」
「中将閣下のお孫さんとお知り合いだったそうで。」
「そのおかげで一兵卒の頃からこちらに配属されてそのまま出世とは・・コネのある方は違いますな。いや、羨ましい。」
後ろに立っていたヘルメッポの口元が一瞬ゆがんだ。
コビーはいつもと変わらずにこにことして笑顔のままなのだが、今はその背後でカチャカチャ言わせていたククリ刀が静かになる。
「はいびっくりしました。おかげで鍛えていただきましたからちょっとは使えるようになったと思いますし。」
にこにこしているコビーの顔は変わらない。
なのに海兵達は何故か自分の周囲の気温が下がり始めたことを肌で感じた。
島の気候は一定のはずのここで、いきなり気候が変わるなんてあり得ない。周囲を凍らせるなど大将青キジの能力くらいしか聞いたことがない。
だが確実に彼らの周囲の気温は氷の島のように冷え込んでいた。
悪寒に近い震えを感じる。海兵の二人はその震えが止まらない。
そんな中、微笑みは全く変えないままいつもの穏和なコビーの声が甲板の風にもかかわらず良く通って聞こえる。
「僕の噂は何を言われても構いませんが、中将は現場で『いまのなし』と言われましたよね。」
知らない、そこまでは・・聞いていないと思う。二人は思わず首を思い切り横に細かく振った。振らずにはいられなかった。
「あなた方が聞いていない話をしていたのですか?ではどなたからお聞きになりました?」
「や・・その・・誰とは・・」
「判らないのですか?困りましたねぇ。」
コビーは困った顔をして見せてもその周囲の冷却した空気は変わらない。
「では・・・『剃』」
いきなりコビーがその姿を消した。二人の周囲の空気が削られる音がする。ほんの数ミリ動いただけでそのかまいたちに似た鋭い衝撃に吹っ飛ばされてしまうだろう。そう言う削りを十数発掛けられていることだけを感じて海兵は身動きなど出来なかった。
「ではこれを耳にした方全員にこの蹴りで粛正されていただかなくては。」
コビーはにっこり汗一つかいていない。
「中将の命令は絶対です。無しと言われた以上そのような事実はないのです。」
「・・・・はっ」
「上の命令に背くなら僕の手であなた方を『今のなし』にしないといけませんね。」
口元の笑みはいつもと同じだ。
目尻が下がった笑顔も同じ。
声も、いじめたら泣き出しそうな顔も変わらない。
だが。
瞳の輝きが違う。微笑みの下に鋭い刃物をちらつかせている。
「確かに中将が拾ってくださったのは僕らの事件にルフィさんの名前があったからですけどね。」
肩をすくめてもう一度構えの腰を深くした。
「でもそれとこれは別です。
中将の命令を理解できない者は降りていただいた方が良いでしょう。いっそ人生ごと」
六式の中でも一番鋭利な蹴りとコビーは相性が良かった。剃で鍛え上げた足がいつでも動ける俊敏さを漂わせた。
「最初の警告は済ませました。心配しないでくださいね。次は外しませんからあっという間ですよ」
「い・・・いえっ!!!」
「めっそうもない!」
「待って下さいっ!」
変わった気配に慌てて彼らの上官に当たる軍曹が飛び出してきた。
「済みません、私が言い聞かせますから。」
その姿を見てコビーは微笑んで構えを解いた。
「ではお願いしましょう」
「ビビらせちまったな」
「当たり前のことを言っただけなんですけど」
「あっちは冗談のつもりだったんじゃねぇか?」
「ヘルメッポさんも判ってるくせに。アレはやっちゃいけないことでしょう?ゆるみは禁物ですよ」
「まあな、お前がやらなきゃ俺がやってたよ。・・けどこんな所はあいつに見せるわけにはいかねぇよなぁ。」
くっくっくと笑うヘルメッポの動きに合わせてサングラスが揺れている。二人ともさっきルフィと話した興奮がまだ身体の中で冷めやらない。
海賊なら仲間を守るのかもしれない。
ルフィならこんな粛正は認めないのかもしれない。
僕には海賊の論理は判らない。
だがここは、自分が身を置くところは海軍で、上からの命令は絶対。どんな些細でも不条理でも逆らうことは許されない。
上もその言に責任を持てない者は粛正を受け入れねばならない世界だ。
「そうですか?こんな事当たり前ですよ。僕は海軍大将になるのだから。」
一度口にした誓いを次に口にするのは案外簡単だった。
だがその言葉は汗のごときもの。もう二度と引っ込みは付かない。
「じゃー俺その横でコネで中将にしてもらおう。」
「ええ、いいですよ。思う存分こき使わせてもらいますからね」
コビーの微笑みはいつもと同じ。昔から全く変わらない。
end
【先輩】チョパ日記17(ロビフラ)
[ 2007ナミ誕 ] 2007/06/28(木)
この船に乗って沢山の嬉しい言葉をもらった。今度は俺が返してあげる番。
「良いかチョッパー、俺様がこの船の先輩だ。俺様の言うことをよーーく聞けよ!そうしたら俺様がこの船でのお前のありとあらゆるトラブルから守ってやるからな。」
「うん!」
チョパ日記17【先輩】
ゴリゴリゴリゴリとチョッパー愛用の乳鉢は音を立てている。数日安定した気候だったので薬草の乾燥がうまくいったらしく鼻歌が聞こえる。鼻歌は聞こえるがこれで居て結構な重労働だ。
以前おもしろがったルフィやノリで計量したウソップをこっぴどく怒ったことがあったんで最近の彼らは近寄ってこない。日陰の甲板とはいえチョッパーの額に汗が噴き出てきた。
「お手伝いしましょうか?船医さん」
「え!?ああ・・しなくてもいいぞ、臭いも付くし結構硬いから力がいる。俺一人で大丈夫だ。」
「臭いくらい構いやしないわ。お手伝いしたいんだけど させてくださらない?」
ロビンの瞳は漆黒に深い。紫を含んだ黒に引き込まれそうになってチョッパーは答えに困った。
乳鉢を擦る手にそっとロビンの白い手が添えられる。その真っ白な手にドキドキする。
「エッエッエッエッエッエッエッエッエッエッエッエッ」
鼻の頭から頬までを染めて白い歯をにやにやさせていると後ろからフランキーの影が重なった。
「いよーぉ仲良いじゃねぇのお二人さん」
フランキーは言うだけ言ってすたすたと歩き去る。
「・・・。」
「フランキー?どしたんだ?」
「妬き餅妬いたんじゃない?」
「何でだ??」
「フランキーも風呂に入れるんだなーー。」
「ったりめーだろうが。オレの後ろ半分は生身だぞ」
「ってことはさ、器械と生の身体の接続はどうなってるんだ?」
「秘密だ。男が自分の秘密をべらべらしゃべるもんじゃねぇ。」
「そ、そっか・・残念だけどそれもかっこいいな!」
ひどく残念そうな青鼻が微笑んだので思わずスーパーな男としても頬が赤くなる。
こんなナリの奴があのエニエスロビーのシカゴリラだったかと思うとどうしても一致しない。あのねーちゃんに頼まれているからあの時のことは二度と口にする気はないのだがこのトナカイの変形は今の形の自分よりもよほど不思議だと思うのだが。
「おめぇはよ、医者だろ?機械より生身が気になんじゃねぇか?」
「そりゃそうだけど腕だって足だって蛸じゃないんだ、一度斬られたらもう生えてこないじゃないか。斬れてすぐならつなぐことは考えてるけど斬れちゃった手足の代理を考えるのだって医者の仕事さ!」
ふかふかなこれでいて色々考えているらしい。ふかふかのシカゴリラのくせに。
よしっ!
「俺のことはアニキって呼ぶんなら教えてやっても良いんだぜ」
この船の連中をこっちは弟分と認めちゃいるが、やつらはどうも照れが先に立つらしい。ロロノアも誘っても乗ってこないのが実はフランキーには少し寂しい。
ところが帰ってきたのはぱぁっと花開いた笑顔と嬉しそうな声だった。
「そっか!じゃぁ俺はたまに『アニキ』!って初めて呼ぶぞ。けどなんだか照れくさいなぁ」
チョッパーが嬉しそうに頬を染めて見上げるその瞳。真っ直ぐできらきらしたその瞳。
あまりに真っ直ぐすぎてこっちが照れてしまう。
「おうトナカイ!」
「アニキ!」
がしっと抱きあったその瞬間一筋の、冷たい風が吹いた。
「あらあらお二人さんは、仲良しで良いわね」
いつもになく冷たい声で言っただけでロビンはすたすたと遠ざかる。
「・・・・・」
「ロビン?どうしたんだ?」
「あの女、妬いたかもな」
「どうしてだ?!!」
チョッパーは必死に考えた。
この間のフランキーといい今のロビンといいどうして??
「あ!?」
判ったぞ!!!!
この名医の診断に間違いはないっ!!
チョッパーは飛び出して大きくなって走り込んだ。大きな手でロビンを捕まえる。
「ロビン!待ってくれよ!」
「きゃっ」
ちゃんと捕まえてそのまま手を取ってフランキーの所に連れてくる。
おもむろに二人並んで座ってもらって自分はいつもの大きさに戻った。
ごほんと咳払いして二人の前にそそり立つ。、元来大きい二人なので座ってもらって丁度チョッパーの身長くらいになる。
座った二人はチョッパーを見つめて互いのことはちらりと視線を送るだけ。
「チョッパー?」
「おいおい・・」
チョッパーは思い切り息を吸った。両腕を真横に大きく拡げて二人の頭と首を巻き込んだ。
「いいか。この船では俺が先輩だからな。先輩の言うことはちゃんと聞くんだぞ!聞いてお前達仲良くしなきゃダメだぞ!ヤキモチなんて妬かなくたって俺は二人ともが大好きだからな!」
そのままチョッパーは力一杯ぎゅっと二人の頭を抱え込んだ。
チョッパーの右にロビン。左にフランキー。間にピンクの帽子のふかふかした獣が頬を押しつけている。
ぎゅうぎゅう締め上げる。
「取り合いなんてしちゃダメだぞ!本当に!オレは!二人とも同じくらい大好きだからな!」
「チョッ・・・・」
「おい・・・・・」
二人が首を動かしてチョッパーを見ようとすると逃げられないようにもっとチョッパーは小さな手をぎゅっと巻き付ける。
大きな息を吸っては吐いてチョッパーのふわふわの体毛がそよいでる。
二人の動きはゆるゆると。チョッパーの後頭部から頭頂部へ。
その先でゆっくりと、頭越しにロビンとフランキーの視線が合った。
最初は吃驚して少し緊張がとれない。
ロビンの肩の力が抜け、フランキーは反対の手で鋼鉄製の鼻をぽりぽりかいた。
二人の瞳が柔らかく互いを見て、少し染まった頬と柔らかい微笑みが広がる。
ぽんぽんぽん。
フランキーの大きな手がチョッパーの腰の辺りを軽く叩いた。
くすくすくす。
ロビンの細い指が溢れた笑い声と共にチョッパーの背中をさすった。
「ふぁっはっはっは!わかったぜ」
「うふふふふふふふはいわかりました先輩」
2人の声が両耳で良く聞こえる。
やった!俺って立派な先輩だ!!!!!
その後甲板で
「ねぇ」
「なんだ?」
「先輩の命令ですって」
「だから?」
「逆らうわけにいかないじゃない。」
「だからおめーよぉ。人を押さえつけてから言うなっての!」
「だって部屋には先客がいるんですもの」
どうやら二人はもっと仲良くなったらしい。
その頃船室で
「おいナミ、起きろ」
「何よ~~もうだめ~~3回もやっといてまだ足りないの~~?」
「外でフランキーがロビンに襲われてたぞ」
「ええ!?」
今まで身動きのとれなかったナミは身体を覆う薄いシーツごと跳ね上がった。
「何処で?」
「・・・なんだ起きれるじゃねぇか。ならもう1回くらいいけるか?」
「やめてよーーそんな面白い物見に行かなくてどうするのよーー!」
「今後何度でもみれるだろ」
「そっちこそ今後いくらでもできるじゃないの!」
「そうか。いくらやっても良いんだな。じゃ。」
「ゾロの馬鹿ーーー!!」
どうやら二人は元から仲良しらしい。
<一言>
チョパ日記は本館でずっとゾロナミベースでやってます
夏のチョパは暑苦しそうですが。
楽屋裏
[ 2007ナミ誕 ] 2007/07/02(月)
甲板は良い天気。チョッパーとルフィは微睡んだ食後の時間。
ゾロは不敵にも笑った。
「おい!新技が出来たぞ!」
「ほ~~みせてみろよ!!」
「良し!これが「九刀流」だっ!!」
斬撃と残像でゾロの手が三対。咥えた刀をあわせて九本以上に見えはじめる。
「ほ~~~~~~。」
「すげ~~~~~~。」
ウソップが悲鳴を上げた。
「止めろ!!!!お前メリーを粉々にする気か!!」
「あ”」
蜜柑の木の前は木陰が読書向き。食後のアイスティーは上々。
「ロビ~~ン。あんまり千手の舞見せるの止めてよね。馬鹿が張り合って破壊工作練習しちゃうわ。」
「あら。私のせいなの?」
「少なくともアタシのせいじゃないわ。」
からんと氷が溶ける音が響いた。
「こら~~~サンジィ!お前も燃やすのは技じゃなくてキッチンだけにしろよぉ!」
又ウソップの涙声の絶叫が聞こえた。
「アレは?」
「きっとエースに対抗して思いついたのね。ホンと、馬鹿ばっかり。対抗意識であの化け物達に新技考えられちゃ船がもたないわ。負けず嫌いなんだから。」
ロビンはクスリと微笑んだ。
「けど男の子はそうじゃないとね。女の子も。」
答えの代わりにアイスティーの氷とストローがロビンの方に飛んできた。
ナミの天候棒は改造中。
戦闘は頭の中で計算中。
<一言>W7前辺りの航海中でしょう
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