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    蜜柑狩 '13ナミ誕
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    空と海の狭間で-13

    2007ナミ誕 空と海の狭間で ] 2007/07/23(月)
    「!」
    「うほーーーー!!」
    「凄っげぇ!」
    「眺め良いなー」
    「うわーーーーー」
    「お前らきちんと昼寝したんじゃろうな!」
    正午から少し太陽が翳るまでは動くには不向きだ。ただでさえ体力に自信のない子もいるので昼は大事をとる。ゆるめのエアコンの下で昼寝か休憩の指示が出た。だが昼寝など用事の習慣だ、今の彼らに暑いからとごろごろ横になってはいたが寝るなんて出来るわけがない。
    あちこちでひそひそと声が聞こえる。だが昼ご飯はお腹いっぱい食べてご機嫌ではあったから睡魔に捕まる子供もいる。ゾロとルフィのいびきは響いた。

    だがもうそろそろ三時を回った。夕方のお楽しみの時間だ。




    島の中程に人工的に作られたフィールドアスレチックエリアがあった。この島の木材と太い縄で編まれたそれは手作りの、とは言ってもこの島のコンセプト、「あるがまま」をベースにしている為に遊具の数は少ない。ブランコとネットと釣り縄の三点だけだ。
    だが、その一つ一つがとても大きい。谷の地形を生かして作られたそれは上からも壮観な出来だ。釣り縄のロープは滑車が付いていて一気に谷を渡る。渡った先からまた谷に沿って作られた階段やそれに沿って張り巡らされた巨大なネット。中程の大きな木につながれたブランコ。それらを通ってまた釣り縄のてっぺんにたどり着く。規模は小さめで、移動は多少の距離はあってもかなり楽しいコースになっている。

    「一っ番乗り~~~~!」
    「あ!俺も!」
    「俺が先だぞ!」
    「順番だ!」
    男子達が先を争って乗り込む。女子とて負けてはいない。要領よくブランコを手にする者もいるが、ネットの方はやや人気が少ない。その分空間に余裕がある。この大きな遊具に今日の参加者は15名ほど。残りの半数は屋内の創作活動に回っている。
    体力がある者が多いときによく使われている設備だ。

    「ちゃんと順番を守るんじゃぞーー」

    一番に飛んでいったゾロが釣り縄のゴール地点でVサインを出している。ウソップは腰にまでがっちり縄を巻き、サンジは片手でぶら下がって余裕のポーズで途中で手を振り、先生の指導が飛んだ。勢いを付けたルフィはスピードの落ちるゴール手前でも勢いを失わず飛び降りてポーズを作る。
    「危ないから飛ぶなっ!」
    「すっげーーーーーー!」
    先生は色々なところに散っている。並んだ最後の子が飛んだ後ろにはもう息を切らして帰ってきた連中が並んでいた。

    釣り縄は一番上にあるので下がよく見える。先生達もそれぞれの位置で各人を補助中だ。それを見つけたルフィが大きく両手を振ったら振り返してくれた。
    どこからでも視線は柔らかく、温かい。


    「シンプルだけどこれだけ大きいのって中々ないよね!」
    「これ、邪魔」
    ナミとビビはブランコが混んでいたからネットの方に先に来た。互いの移動は谷に沿った道で起伏はないが大きな螺旋を描いて移動しにくい。ビビが松葉杖をぽいっと脇に放り出した。
    「いいの?」
    「片足の方が動けるわ!」
    細い足首でビビが跳ねる。学校への坂で鍛えた足は伊達じゃない。

    「ミス・ウェンズデー?」
    背後からビビはぴくっと固まる。返事をしないでロビン先生の方を睨む目で見返した。
    「足は大丈夫?無理は禁物よ」
    ロビン先生はビビの視線に気付かないのか優しい微笑みを浮かべるばかり。

    「ええ、昨日はどうも。私の足は無事です」
    「ならいいの、でも無理をしすぎて悪くしないでね」
    「自分で判断します。それとも私、あなたにお礼を言わなきゃいけないんですか?」

    ビビの背中が震えてる。怒っているのか緊張しているのか後ろからでは判らない。
    ただナミは見ていた。ロビン先生の口がゆっくり開こうとした。
    「ビ・・」
    「うわ”------------------っっっっ!!!」
    その時獣のような声が響いた。せっぱ詰まった、救いのない声。

    「え?」
    「ウソップ君の、声?」
    さっと青い顔になったロビン先生が走り出し、ナミもビビも後に続いた。








    「順番は順番だ!」
    「俺の方が先に並んでたろ!」
    「人を押しのけて並ぶのがてめぇのルールかよ」
    「負け犬みてぇにキャンキャン吠えるな。クソが」
    数回乗ったところで他の遊具にうつったものも居る。先生も下に降りていった一人についていった。その隙間にゾロとサンジがいがみ合っている横でウソップは2人の間でおろおろしながら首を横に振り続けていた。
    ゾロの表情がゆがんでる。
    「だいたい先生達が居る所では良い子やってるくせに居なくなったらころっと変わるてめぇのその根性が気にくわねぇ」
    サンジも売られた喧嘩を引き下がるような性格は持ち合わせていない。
    「上等だ。俺だって てめぇみたいに何もしてないくせに偉そうな面見てるとムカムカするぜ」
    互いに襟首をつかんで一触即発の気配だ。
    「だ・・・だめ・・やめ・・ろって・」
    「なんだーおめぇら乗らねえのか?なら俺が先に行くぞー」
    2人の間を横切ってルフィはあっさりとロープを手にした。もっと酷いケンカになりそうに思えてウソップがおろおろしていると止めようとする。
    「きにすんな、喧嘩したいときにはやりたいだけやりゃぁいいんだ。それよりよ、この縄の方が気になるんだよなぁ」

    釣り縄はがっちりと沢山の縄でつられている。その横に一本が丁度釣り縄に沿うように下がっていた。本来は補助として渡してある縄のようだ。片方が切れたのか、とれたのかは判らない。だが本来無いところに、ちょっと外れた所から下がってるところがルフィの心をそそる。
    「こうやって・・これでつかんでターザンみたいにあっちまで行けるんじゃねぇか?」
    ルフィはその縄をつかんでぎゅうぎゅう引っ張った。そして地面を蹴って腕で体を引き寄せた。
    「お、しっかりしてる!よし!」
    一気に飛び乗ると縄はゆっくり下がり始めて弧を描いて落下してゆく。

    「よおっし!あ~~ああ~~~~~~~~!」

    縄の反対側は谷を覆う上方の木に結わえてあったらしく縄がゆっくり大きな弧を描いた。飛び出したときにはゆっくりだったスピードが下方に行くに従って速度を増す。頬に受ける風は爽快だ。緑の谷の間を渡り、ロープは一番上で方向を逆転させた。
    「ひゃっほう!!!」

    ご機嫌なルフィの声に周囲は唖然となった。
    「待て!!」
    「よせ!!落ちるぞ!」
    「戻れ!」
    「なんで上に誰もいないんだ!?」

    ルフィは復路を充分堪能して良いタイミングで勢いよく飛び込んで帰ってきた。
    「これいーーぞおーーーー!!」
    大喜びで最初に飛び出した地面に帰ろうとルフィは足を伸ばした。

    「あり?」
    が、足は指先しか届かず滑る。運動靴を嫌ってサンダルで遊んでいたツケが回ってきた。
    手は既にロープを放している。不安定になった手は空をつかむ。頭に重力がかかり引きずり込まれる。上体を引きずり込んでからだがひっくり返る。
    下にはマット代わりの網が敷いてはあるが、釣り縄用にセットされていて、今の位置からだと巧く落ちても体半分くらいしか引っかからない。
    「うわわわあわわ!」
    「ルフィッッッ!?」

    側にいたゾロが反射的にまず手を伸ばした。
    ルフィの手首までは届いた。
    だがゾロの身体も一緒に引き込まれる。
    「おっ!」
    ゾロは振り返りながら反対の手で釣り縄の足下に広がってるガード用の縄の下端をかろうじて捕まえた。だが二人分の体重は重い。捕まえることが出来た手に一気に加速がかかってゾロも一緒に下に引き込まれる。
    「おわっ!」
    「でかした!離すな!」
    網目状の縄をつかんだ手は必死に支えた。ルフィもゾロの腕にしっかり捕まっている。
    サンジがゾロがつかんでいる縄に両手を伸ばして捕まえた。全身で引き上げるが二人分の体重は重い。その落ちそうな身体をウソップが背後で必死に引っ張る。

    息をつくまもなくサンジが叫ぶ。
    「網が!抜けて落ちそうだ!」
    サンジが引いたのは保護用に設置されたネットだった。それが弛んでいたのか、二人分の体重が一気にかかったせいかは判らない。釣り縄の下に貼られた安全ネットの杭が地面から抜けそうになっている。
    縄はぎしぎしぎしぎし音を立てる。支えてある太い杭がサンジの見ている前でじりじり動き始めているのは芯から肝が冷える光景だ。
    「おい!今のうちにあがってこい!」
    「無理だ!」
    「俺だって無理だ!おいウソップ!」
    「ん・・ん・・!!」
    「先生を呼べ!!!!!」

    下ではゾロが必死に捕まえたルフィの手首を引っ張っている。ルフィも少し反対の腕を泳がせた。
    「ルフィ!動くな!」
    「けどだって!俺が縄につかまれば・・」
    「やめろ!無理だ!今動いたら支えれねぇ!!」

    ゾロもサンジも今のバランスが少しでも続いたら崩れそうだ。
    どちらもがつかんでいる両手はその重みで悲鳴を上げている。
    ルフィと、縄と。それ以上にこれからどうしたらいいのか判らない。
    かといって手に肩に腰に、そして縄にどんどん重さはかかってくる。このままじゃ絶対落ちる。下手をすれば全員で、真っ逆さまだ。もしサンジが手を離せば二人だけが真っ逆さま。どちらも地獄だ。絶対に嫌だ!

    「ゾロ!お前、有段者なんだろ!?なんとかしろ・・!」
    「関係あるか!てめぇこそ その腕はなんなんだよ!」
    「!」
    「飾りじゃねぇだろ!」


    サンジの左肩周囲は服の下では細く見えるがかなり鍛えられている。フライパンを振ることで鍛えられたものだ。風呂場で見たゾロは鍛え方のアンバランスが不思議に思っていた。だが鍛えた筋肉は判る。その努力の分量も。
    努力は頼もしさと意味は同じだ。

    「くっそ・・・・!!」
    サンジの声が絞られていく。目を閉じて力を振り絞る。これ以上落とさないように。

    ウソップの手も渾身の力が入ってる。が、脇から手を入れて支えているサンジが身を固めて動かなくなってきていよいよやばいと感じる。
    声を出せと言われても、言われても、言われても・・・・。

    「う・・う”・・・・うわ”------------------っっっっ!!!」


    叫んだウソップの方がいきなり放心した。声に魂が抜き取られているかのように声ばかりが止まるところを知らない。
    「おい?おまえ?ウソップ!どうした?!」
    固まって動かないウソップの力が緩んできた・・・と、サンジの覚悟の定まらないうちに何かが自分を引っ張っていた。
    「大丈夫!?」
    「先生ェッ!?」
    ロビン先生がルフィ達に近いところに倒れ込んでロープの先を捕まえてそしてぐっと縄を手に絡めて引いている。
    ビビがナミがサンジとウソップの体を後ろから引っ張ってる。
    「ゾロッ!!あんたも放すんじゃぁないわよっ!!男の子でしょ!」
    「る・・せぇ!!」
    後ろから引っ張るナミの良く通る声にゾロが答えた。蒼くなりかけていたゾロの顔色がうっすら赤くなる。生気と力が戻ってきた。
    ナミもビビもロビン先生の脇に回ってロープの端をきゅっと握りしめた。ビビもナミもその真っ白な手が真っ赤に染まる。
    「お前ら変に引くな!!支えきれねぇ!」
    皆はっとなった。ロープは支えることが出来てもゾロがルフィを放したら・・・・・ゾロがあげた悲鳴に皆堅くなった。縄は確かにロビン先生が一番崖の側で押さえてる。みんなで引っ張ってる。
    その先でルフィが動いたのか?押さえた縄が緩んでいるのかゾロが落ちそうだ。

    「ゾロ!放せ!」
    「言うな!」

    ゾロの所まで誰かが降りられない限りいつか保たなくなる。
    これが現実だ!
    ウソップは想像したが怖い光景など想像は出来ない。だが恐怖感だけはひしひしと押し寄せてくる。

    「や、だーーーーーーーーーーー!!!」

    ウソップの口から獣の仔のような声が上がった





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