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    蜜柑狩 '13ナミ誕
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    空と海の狭間で-3

    2007ナミ誕 空と海の狭間で ] 2007/07/06(金)
    「グランドライン」が本当にあるとは思わなかった。



    一度役所の用事で遠出して学校に遅刻したときのことだ。本人の確認が居るとかで二人で出かけた。
    「これで終わり?だったら・・」「駄目です!子供一人では危ない!!」
    用件は終わったはずなのに単身で学校に行こうと思ったのに役所の人が言い張るのでエアコンの効いた役所の中で待つことにした。子供だからと言う理由は案外不便だが仕方ない。時間がものすごーーくかかった。すんで見れば給食も始まって間にあわなさそう。もう何時行っても変わりないわと二人で溜息をついた。ノジコも学校に行くから別れたあとバス代をけちってのんびり歩いていた。歩けない距離じゃないし大きい道路ばかりだから問題なんて無い。その帰り道の途中の公園で独りでブランコに座っている子供がいた。
    幼稚園前くらい?こんな子供が一人でいるなんて。
    「お母さんは?まさか迷子じゃないわよね?」
    「おかあさんはぶつだんのなか。」
    「あ、そうなの?じゃぁアタシと一緒ね。他におうちの人・・は?」
    そこに答えはなかった。もしかしたら近所なのかもしれない。代わりに少年の目はきらきら輝いていた。
    「ね!おねぇちゃんもお母さんいないの?」
    「うん。」
    それが連帯感の引き金になったか判らない。そのままナミは少し座り込んでしまった。
    少年は6歳だといった。その割には体が小さい。てっきり幼稚園くらいだと思ったのだ。心臓と喘息の病気があるとかで小学校も休みがちだといった。顔色も悪いけどもっと鼻先が青かった。けど本人に言われなかったらてっきり痣か何かだと思っていた。
    「ねぇ、オレのはな・・・あおい?」
    「え?」
    「ねぇ!どう!?」
    突然の質問だったが、あまり小さい子供と遊んだ事がある訳じゃないからどう答えればいいのか余計に判らない。
    子供相手でどう答えて良いか判らないから真剣な問いには正直に答える事にした。
    「うん。少し。青いね」
    少年は口を半分開けて、それから頷いた。
    「そっか・・・おねえちゃんはうそゆわないんだね」
    「え?」
    「このおはなもからだがわるいからだって。オレも、そのうちくいなやぞろみたいにしゅじゅつをうけて、“ぐらんどらいん”にいくんだ!」


    その時にはグランドラインが何を意味するのか全然想像も付かなかった。テレビのアニメか何かだろうと想像したくらいだ。その嬉しそうな顔に水を掛けるのが嫌でその時にはそのまま頷いてみた。
    「そうか。がんばんなさい!」
    「そうさ!おれ、がんばるよ!」
    ナミにとってもたった一度一緒にいただけの子のこと。すっかり忘れていた。






    おでこを付き合わせて二人で参加のしおりを総ざらいした。
    「もういいんじゃない?それだけやったらさ」
    「ううん。きちんとしておかないと」
    飽きてきたナミは物事をきちんと詰めるビビに併せてはいはいと栞を頭の上で振った。ビビが人差し指で一行一行さらう。
    「確認するわよ。基本費用は互い持ち。けど本当に良いの?私につきあって貰うのに・・。」
    「いくらビビの頼み事でもこれはゆずれないわよ。うちの母の遺言。「友達から借金禁止」」
    「それから帰ってきたらナミさんにパパの使ってないパソコンを貸してあげる。」
    「回線付きよ?学校のパソコンじゃもう限界だし・・けど良いの?」
    「私に使って良いって言ったのはパパ」
    「いーわよねぇ」
    「夏休みの宿題は私の家で夕方にやるとどっちもの家族にオッケー貰う。でも良いの?私は塾の夏期講習から帰ってきたら必ずナミさんに会えるなら凄く嬉しいけど。」
    「だってクーラーとおやつも付けてくれるんでしょう?だから待ってるv」
    「商談成立ね。」
    話がまとまったことに二人共がホッとした。

    「しっかしグランドラインってこれだったのねーー。」
    「ナミさん知ってるの?」
    「う・・知ってるとゆーよりは・・。」
    何故あんな一度あっただけの子供の言った一言を思い出せたかの方が驚いた。
    けどなんだか目の前のビビの顔は真剣そのものだからこんな事言い出せない。
    夏休みの計画をビビに打ち明けられたのは6月も後半だった。昼の日差しはぎらぎらてり始め、夏の予感が膨らんでくる。
    家は貧乏だから余所のおうちの様に「夏休みは海外旅行よ」など言えないのはナミは解っていた。今年も、こっそり浜まで行って泳いでくるかと思っていたが、最近は物騒だから人の来ない入り江に一人で行くなとゲンさんが五月蠅いのが悩みの種だった。



    「ナミさん、よく見て。目的はこの悪そうな女よ。」
    「へぇーーけど小さくてよくわかんないなぁ。けど美人っぽい。で?」
    ビビが指指したしたのは雑誌の1ページ。ボランティア募集の写真には子供達と遊ぶ若い男女が何枚も明るい笑顔で写っている。
    その隅っこの方に黒髪と白い肌のその人はいた。ビビはその感想にむっとしたようだったがニヤニヤ笑うナミの顔に先を続けた。
    「あのね」
    妙に真剣なビビの顔に混ぜっ返しは引っ込めた。
    「これが私の姉、らしいの。」
    「ええっっっっ?!!だって。」
    パンフレットの小さい写真だ。どう見ても二十一歳のノジコより年上に見える。つまり二十歳以上の大人だ。
    「え?ってことは?あんたのお父さんとお母さんがあんたよりずっと前に作ったお姉さんって事?」
    「違うわ。パパが留学時代に浮気して作った子なのよ!」

    パパの留学とはあのパパさんが15歳くらいの時のことらしい。御曹司は若いうちから海外生活をうけた。ちょっと蜘蛛の上の話のような気がするが、それは判らないので脇に置いた。
    時間の関係上その場合浮気という言葉が当てはまるのかとナミは考えたがよくわからなかった。
    しかもその人ももう母親を亡くしているので彼女を家に迎えたいと父親に相談されてビビは真っ向から反対したという。

    「だって!もう大人の人じゃないの!!なんでうちで面倒見なくちゃ行けないの?パパはきっと騙されているのよ。きっとお金目当ての悪い女よ!」
    ビビの家ならばそれはあるかもしれない。かなりの大企業だと聞いてはいたが、新聞やネットでもよく見る名前なのだ。
    ビビの母、つまり奥さんも居なければ、上がり込んだり後妻に収まる人がいてもおかしくはない。しかしビビパパのビビへの溺愛ぶりはかなり凄いことは学校の名物の一つだ。授業参観の時など応援用の段幕を作りかねない勢いでビビは良く首まで真っ赤になっていた。1年の頃にはビビの送迎用のお抱え運転手が黒塗りの車で正門前にいるのは下校時の名物だったらしい。いまでこそナミと帰るからと言う理由で運転手は来なくさせたが、愛妻家で未だにラブラブだとこぼしていたのもビビだ。

    「で?あんたはどうしたいわけ?」
    「乗り込んで、この女の正体を暴いてやるつもりよ!」
    「ふぅーーん」
    キャンプの申込用紙は見事に誤魔化した。ビビは姓を隠してウェンズデー・N・ビビで通すつもりのようだ。


    ノジコのことをうらやましがっていたのはビビ。
    なんか変な感じ。
    ビビは何がしたいんだろ?
    ビビの鼻息に口を挟めないナミはごろんとひっくり返ってみた。


    けどとりあえずキャンプだ!費用も思っていたよりも安かった。民間の企画と聞けばかなり高いのが相場だが、ボランティア重視で案外近距離で日にちの割に内容が少ないからこの企画は案外安価で参加できる。確かに。身体に障害があっては予定通りに進むのは難しいんだろう。決意のビビの横でナミはほんのり青い海と空に期待を込めている。











    「ノジコさんって凄い!」
    一人っ子のビビは何かと繰り返す。仲良しの姉という存在が羨ましいのだという。
    夕方家に来て以来、夕飯の片づけを手伝い、デザートの冷凍蜜柑を頬張りながら談笑している。
    「しかしビビちゃんの躾は良いわねー。うちのナミとは大違いだ。」
    「姉の躾が悪いんでしょー。」
    ビビはくすくすと蜜柑を剥いている。
    「良いなぁ、私、母にも早くに先立たれてるからこういう雰囲気って憧れだったんです。」
    「18でパパさんと運命の初恋に落ちたって言う美人で激しいママさんね。」
    ナミが補足的に突っ込んだ。
    「ええ!でもノジコさんだって。このお年で結婚なさって4年だなんて、よほどの大恋愛だったんですね?」
    しまった・・・と思ったナミがそっと横顔を伺うとホンの一瞬の不思議な笑顔の後ノジコはぽんぽんと手を叩いた。
    「そう言う秘密はもうちょっと大人になってから教えてあげる。さ、子供は早く寝な。明日の朝、早いんだろ?」
    「はーーい。ほら、ビビ、いこっ。」
    「え?ええ・・・お休みなさい。」


    「私・・何かノジコさんに悪いこと・・・言った?」
    ナミの部屋のベッドの横に布団を広げながらビビは聞いてきた。シーツの皺を伸ばす。明日の荷物は入り口の方に大きなバッグを二つ置く。暑いのでタオルケットを手渡してナミは自分の布団に倒れ込んだ。天井を見ながら切り出す。
    「う・・・ん・・・言っとくね、内緒よ。」
    ナミの声も顔も真剣だったからビビは思わずつられて真剣に頷いた。

    「ノジコの結婚ってちょっと違うのよ。」
    「ええ???」
    衝撃的な告白にビビはナミの肩を掴み、目線の高さのナミに覆い被さらんばかりにかぶり寄った。
    あははと横を向いたナミの笑顔は優しい。
    「あたしの為の書類上の結婚なの。ほら、うちの母さん非婚の母でさ、身内が居ないままノジコが15歳あたしが5歳で死んじゃっんだよね。そうしたらあたし達そのままじゃ引き取り手も居なくて二人で施設にやられるところだったのよ。そこをノジコが頑張ってくれてね。母さんの死後一ヶ月でちょうど16になるからって結婚相手を捜したの」

    『ドク!どこかに奥さんに先立たれた80歳の係累のない奇特な人居ない??』
    『何じゃ?その条件は。』
    『あたしと結婚してくれる人。』
    『この小娘が!こんな時に訳の判らん事言うな!?』
    『どうしてだよ!あたし真剣なんだよ!あたしが結婚すればナミを引き取って育てる事が出来る。すぐにでも籍をかしてくれて何も影響のない人ってそのあたりでしょ。あたし本気よ。どこかにそんな知り合い居ない?』

    絶句したドクの横から声をかけてくれたのが隣のゲンさんだったの。多分ゲンさんもベルメールさんの事が好きだったんだろうなぁ。あたし達の事も娘みたいに可愛がってくれてたし。ゲンさんは独身男だったから今度はノジコが遠慮して決まるまではすったもんだしたけど・・。結局籍を入れて家はそのまま二件構えてご飯は一緒に食べてくけどあたし達が寝たらゲンさん自分ちに帰ってるみたい。でもそのままの生活でもうノジコも21になったのにまだ離婚届出してないのよね。」

    ナミの部屋に敷かれた布団の中は薄暗くって秘密の話にはもってこいだ。

    「私・・いけない事を言った?」
    「大丈夫よ。慣れてるしね。でもこれから気を付けてくれると嬉しい。」
    「当たり前よ!」
    「さ、寝よ。明日は早いよ。」
    「うん。」
    興奮していたのに消灯するとすぐにビビの寝息が聞こえてきた。学校の林間学校でもそうだったが相変わらず寝付きは良い。
    ナミの静かな興奮はちょっと高ぶってすぐに寝る・・というわけにはいかないみたいだ。

    ベルメールさんの死後、保険会社にいた友達って人のおかげですぐに保険が下りたから二人の基本的生活には困らなかった。ゲンさんは家族になったが二人への距離は変わらない。
    だけど実は・・・ゲンさんとノジコは密かに想い合っているのではないだろうか。以前からナミはそう考えていたし、そうなればいいなとも思っていた。お邪魔虫の自分が居なければ二人の間に変化があるかもしれない。今回は絶好の機会なのだ。

    『グランドラインか・・あんたに似合いかもね』
    『あのこととは関係無いよ。たまたまビビが・・』
    『そう言いなさんな、キャンプファイヤーもあるっていうから試してごらんよ。あたしもそれっくらいいかせてあげたかったから願ったり叶ったりじゃないの。一人よりもビビちゃんが一緒なら良いでしょ?こっちからビビちゃんに頼みたいくらい』
    ノジコに最初にこの話を打ち明けたときの言葉が少しだけ気になったが直ぐに忘れた。

    帰ってきたらビビのパソコンをかして貰える。これでオンラインで株の売買が出来る。
    前から自分だけでお金を稼げる方法が知りたかった。近所の本屋でその手の雑誌を見つけて立ち読みして、クラブでネット上のシミュレーションをやった時にはばっちりともうけが出た。先生にも褒めてもらえたし自分は天才じゃないかと思った物だ。
    ちょっとした小遣いが作れたらそれはきっと助かるに決まってる。
    クラブの時間に必要な書類とか株式システムの勉強もしてそれをレポートにしてあるから夏休みの自由研究はこれにすれば手間はかからない。
    あたしって本当に天才かも。




    そして南の海!
    青い空に白い砂浜。テレビで見てはいるけど本当になんていけるわけもない。想像上の海だ。行ったことのない青い海!
    しかも格安料金。
    自分の肩に残る傷は見せたくないけど憧れが消えるわけはない。


    「一石三鳥v」


    そして寝息は静かな合唱になった。








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